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2005.10.06

東京奇譚集/村上春樹

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東京奇譚集/村上春樹

奇譚(きたん)とは、不思議な、あやしい、ありそうにない話。
しかしどこか、あなたの近くで起こっているかもしれない物語――。
話題の四作品に、書き下ろし『品川猿』を加えた、
村上春樹待望の最新作品集刊行!

というわけで、村上春樹の新しい短編集が出たので早速読んでみた。

「奇譚集」というタイトルと和菓子の包装紙のような装丁に、
ちょっと戸惑ってしまったのは事実だけれど、
ページをめくれば、もうそこは完全な春樹ワールド。
静かに、淡々と語られる物語に
ずるずると自分の意識が持っていかれてしまう。

最近、読書は通勤の電車の中や
仕事の休み時間に少しずつしてるんだけど
今回は、帰りの電車の中で読み始めたら
もうどうにも止まらなくなって
久しぶりに読書のために喫茶店へ入った。
静かに雨の降る街が見える窓際の席で、物語を堪能する。

どの短編もとてもよかった。

特に「品川猿」がよかった。
(この作品が一番奇譚っぽいのかも)
名前を取られるのは嫌だけれど、わたしの名前に付帯している
ネガティブな要素というのはちょっと知りたいと思う。
そういうものがあるならば。
いや、きっと誰にでもあるんだろう。

この作品の感想としても相応しい、
とても無駄の無い文章があったので引用。

(以下、村上春樹『東京奇譚集』p.41より引用)

偶然の一致というのは、ひょっとして
実はとてもありふれた現象なんじゃないだろうかって。
つまりそういう類のものごとは僕らのまわりで、
しょっちゅう日常的に起こっているんです。
でもその大半は僕らの目にとまることなく、
そのまま見過ごされてしまいます。
まるで真っ昼間に打ち上げられた花火のように、
かすかに音はするんだけど、空を見上げても何も見えません。
しかしもし僕らの方に強く求める気持ちがあれば、
それはたぶん僕らの視界の中に、
ひとつのメッセージとして浮かび上がってくるんです。

(引用おわり)

奇譚って、そういうものなのかもしれないと思った。
今日、この本を読んだことだって奇譚のはじまりなのかもしれないのだ。
そういうメッセージを多く受け取れるような人間でありたい。

今これを書いていて、いつかのくるりの野音ワンマンライブのことを思い出した。

2度目のアンコールの時に岸田が
「次のアンコールはリクエスト大会にしたいと思います」
って言い出した。「なに演ってほしいん?」とにやりとした。
本当は初めからやる曲なんて決まってるのかもしれなかったけど
みんなが口々にやって欲しい曲を叫んでた。
わたしはどうしても、野音でこの曲が聴きたくてとにかく必死に叫んだ。
「青い空ああああ!!!」

そのとき、信じられないことにあのイントロが鳴り出したのだ!
身体の中に電気が走ったみたいになった。動けない・・・。
夕暮れの空がとても綺麗で、涼しい風が吹き抜けて、
岸田が「青い空」を歌っている。もうほとんど泣きそうだった。
興奮しすぎて頭が真っ白だったのに、
あの時の光景は今でもよく覚えている。

あれも何かのメッセージだったのかなあ。

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Comments

村上春樹の新作かぁ。読んでみたい。
んで、私もメッセージをちゃんと受け取れる人になりたい。

くるりの野音の青い空。
通じたよね、あの時。
あの日はすごく気持ちよくって漂う感じを覚えてる。

Posted by: りなっち | 2005.10.18 at 10:53 PM

通じたよね、あの時。
あの日の感覚や情景は今でもよく覚えてる。
きっと、ずっと忘れないと思う。

東京奇譚集、よかったよー。
その前にカフカを読んで感想きかせてよう。

Posted by: ほこ | 2005.10.20 at 09:13 PM

まさに、数日前からカフカを読み始めたとこよー(ほんと、遅いけど)
阪神欲(←一発変換・・・笑)。
半身浴しながら読んでるんだけど、ついつい夢中になって浸かり過ぎて大変な事になった・・・(汗)
読み終わったら感想教えるねー!

Posted by: りなっち | 2005.10.20 at 09:43 PM

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