2006.03.21

吉田自転車

sen_00373img1

表紙のしいたけが最高にかわいい!!

ハードカバーも持ってるけど、文庫も絶対買うね。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2005.10.27

酔って言いたい夜もある

4872339762

酔って言いたい夜もある/角田光代

漫画家・魚喃キリコ、小説家・栗田有起、エッセイスト・石田千、写真家・長島有里枝と
飲んで語った初の対談集。角田光代の中央線ランチ写真日記も収録。

この対談集はとにかく面白かった。

大好きな魚喃キリコとの対談だけでも涙モノなのに、
出てくる話がほとんど恋愛話ってすごい貴重で興味深い。
ああいう物語を紡ぐ人たちの素の恋愛感ってやっぱり面白いなあ!

いくらわたしでも、同居人に対して、
「帰ったらいっそのこといなくなっていてくれないか?」(角田光代)
って思わないもんなー(笑)

「結婚なんて、中学の先生が朝練に出なきゃダメだって理由くらい
 大したことでもない」(長島有里枝)

とか

「男の人がうちまで送ってくれたら、家に上げないと失礼。
 しかもやらないと失礼」(角田光代・魚喃キリコ)

とか、言い切っちゃうところがかっこいい。
どの女性も自分をしっかりもっていて、キラキラしてる。

それにしても、どの対談もみんな完全に素で語っていて、
改めてお酒の力ってすごいなーと思った。
わたしも少しくらい飲めたらよかったのになあ。

この本、図書館で借りたけど、やっぱり買おうかな。
他にもがつーんってくる言葉がいっぱいあったから。
自分が恋愛に落ち込んだ時に何回でも読み返したい。

| | Comments (4) | TrackBack (0)

2005.10.06

東京奇譚集/村上春樹

4103534184

東京奇譚集/村上春樹

奇譚(きたん)とは、不思議な、あやしい、ありそうにない話。
しかしどこか、あなたの近くで起こっているかもしれない物語――。
話題の四作品に、書き下ろし『品川猿』を加えた、
村上春樹待望の最新作品集刊行!

というわけで、村上春樹の新しい短編集が出たので早速読んでみた。

「奇譚集」というタイトルと和菓子の包装紙のような装丁に、
ちょっと戸惑ってしまったのは事実だけれど、
ページをめくれば、もうそこは完全な春樹ワールド。
静かに、淡々と語られる物語に
ずるずると自分の意識が持っていかれてしまう。

最近、読書は通勤の電車の中や
仕事の休み時間に少しずつしてるんだけど
今回は、帰りの電車の中で読み始めたら
もうどうにも止まらなくなって
久しぶりに読書のために喫茶店へ入った。
静かに雨の降る街が見える窓際の席で、物語を堪能する。

どの短編もとてもよかった。

特に「品川猿」がよかった。
(この作品が一番奇譚っぽいのかも)
名前を取られるのは嫌だけれど、わたしの名前に付帯している
ネガティブな要素というのはちょっと知りたいと思う。
そういうものがあるならば。
いや、きっと誰にでもあるんだろう。

この作品の感想としても相応しい、
とても無駄の無い文章があったので引用。

(以下、村上春樹『東京奇譚集』p.41より引用)

偶然の一致というのは、ひょっとして
実はとてもありふれた現象なんじゃないだろうかって。
つまりそういう類のものごとは僕らのまわりで、
しょっちゅう日常的に起こっているんです。
でもその大半は僕らの目にとまることなく、
そのまま見過ごされてしまいます。
まるで真っ昼間に打ち上げられた花火のように、
かすかに音はするんだけど、空を見上げても何も見えません。
しかしもし僕らの方に強く求める気持ちがあれば、
それはたぶん僕らの視界の中に、
ひとつのメッセージとして浮かび上がってくるんです。

(引用おわり)

奇譚って、そういうものなのかもしれないと思った。
今日、この本を読んだことだって奇譚のはじまりなのかもしれないのだ。
そういうメッセージを多く受け取れるような人間でありたい。

今これを書いていて、いつかのくるりの野音ワンマンライブのことを思い出した。

2度目のアンコールの時に岸田が
「次のアンコールはリクエスト大会にしたいと思います」
って言い出した。「なに演ってほしいん?」とにやりとした。
本当は初めからやる曲なんて決まってるのかもしれなかったけど
みんなが口々にやって欲しい曲を叫んでた。
わたしはどうしても、野音でこの曲が聴きたくてとにかく必死に叫んだ。
「青い空ああああ!!!」

そのとき、信じられないことにあのイントロが鳴り出したのだ!
身体の中に電気が走ったみたいになった。動けない・・・。
夕暮れの空がとても綺麗で、涼しい風が吹き抜けて、
岸田が「青い空」を歌っている。もうほとんど泣きそうだった。
興奮しすぎて頭が真っ白だったのに、
あの時の光景は今でもよく覚えている。

あれも何かのメッセージだったのかなあ。

| | Comments (3) | TrackBack (0)

2005.09.28

野ブタ。をプロデュース

4309016839

野ブタ。をプロデュース/白岩 玄

日テレの土曜21時枠で10月15日からスタートする
亀梨主演ということで話題のドラマの原作でもあるこの本、
第41回文藝賞受賞作で、第131回芥川賞最終候補作でもあったわけで、
作者が専門学校生(1983年生まれ)ということでも話題だったので
結構前に図書館で予約してたら、忘れた頃に届いたよ。
何か知らないけどタイムリー(笑)

大筋は、クラスの人気者で男子にも女子にも一目置かれる
目立つ存在の桐谷修二が、突然転校してきた太って気持ち悪く弱々しい
典型的ないじめられっ子信太(シンタだがノブタと呼ばれる)を「野ブタ」として
プロデュースして学校一の人気者にするというストーリー。
(最後にちょっとしたどんでん返しが待っているのだけれど)

前評判どおり、軽い文体でリズミカルな展開。
さっくり読めて面白かった。
今の高校生の日常を垣間見た感じ。

わたしもやっぱり、高校生の時、
自分を演じているって思ってた時期があったなあ。
友達と上手くやっていくため、キャラを作ってそれを守る努力をして。
でも、自分の根本的な部分てどうしようもないし、
結局その「作りあげたキャラ」自体も自分だったんだなと
今になって振り返ってみれば思う・・・。

それが青春ってやつか。
ああ、あっという間に遠くなっちゃったなあ!

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2005.07.30

人のセックスを笑うな

4309016847

人のセックスを笑うな/山崎ナオコーラ


第41回文藝賞受賞作で去年の芥川賞候補作。

著者の名前とタイトルのインパクトがすごい話題作だったので、
図書館で予約していてやっと借りられた作品。

あらすじは、美術の専門学校生である19歳の「オレ」が、
学校の講師で39歳で既婚のユリに、絵のモデルを頼まれて
彼女のアトリエに何度か通ううちに、なんとなくセックスをしてしまう。
目じりにシワがあって、ひじや膝や爪の生え際の手入れが悪くて、
子どものように弱いところのあるユリへの恋とも愛ともつかぬ
愛しい思いに包まれて日々を過ごすが…というような感じ。

文字数が少なく、恐ろしく低いテンションの文体なので、
あっという間にするりと読めてしまった。

この作品については賛否両論あるけれど、
わたしはこの一文にとても共感した。

「新しく好きな人ができたら楽になるのだろう、とも思うが、
若いオレにはいつかはできるだろうことは予想できても、
今はまったく、他の誰かを好きになれる能力が
自分にあるような気がしない。」

今の同居人と別れることになったら、きっとわたしもこう思うに違いない。
積み重ねてきた日々を切り離す痛み、寂しさはこんな風に人を傷つけるのだろう。

たぶんBGMとしてかけるならスピッツの「ルナルナ」だな。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2005.05.20

愛がなんだ

4840107394
愛がなんだ/角田光代


ちっこくて、猫背で、安い海老フライみたいに細い、いけてないおれさま男
田中守にどうしようもなく恋をしてしまった山田テルコのおはなし。


はじめは知り合いのパーティで出会って、
その後友達以上恋人未満な関係がつづき、
相手に気に入られるように、つかず離れず、でしゃばらず、
ひたすら田中守からの連絡を待ちつづけて、
連絡があれば友達の誘いをドタキャンしてもすぐ駆けつけ
彼女にしてもらえるのをじっと待つという
わたしにも身に覚えがあるような恋愛だったのが、
次第にどんどんエスカレートしていき、
ついには田中守に尽くしまくるあまりに、会社をクビになっても
「マモちゃんのために自由に動けるようになってよかった!」と喜ぶ始末。
でもどんなに尽くしても「都合のいい女」でしかない。


最後には好きな女を紹介され、その女との仲をとりもちつつ、
どうしても田中守のそばに居たくて、彼の友達に惚れたふりをするテルコは
もう痛い、というよりなんかすごい。すごすぎる。
そこまで見返りを求めない「好き」という感情って、どこからやってくるのだろう?
どこでスイッチが入ってしまうのだろう?


「理解できない」と思いつつこんなにも夢中になって読んでしまうのは
今、好きな人がいつでもとなりにいる状況のわたしでも
なにかのきっかけがあればこういう風になってしまうかもしれない、
とリアルに感じさせる角田作品独特の恐怖感を
今回もしっかり味あわってしまったからなのだろう・・・。


角田光代の描く人々はいつだって遠いようで、近いのだ。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2005.05.17

約束

4048735497
約束/石田 衣良


本を読んでこんなに泣いたのは、たぶん去年の
「博士の愛した数式」以来だと思う。


かけがえのないものをなくしても、
人はいつか自分の人生に帰るときがくる。
さまざまな喪失によって止まってしまった時間が、
再び流れだすときを描く連作「バック・トゥ・ライフ」
が単行本になったもの。


この本はまずあとがきから読んで欲しいと思う。
作者がこの本に込めた想いが真摯に伝わってくるから。


それから最初の「約束」と最後の「ハートストーン」は
絶対読んで欲しい。


「約束」は池田小の事件をモチーフにした作品で、
一部からは「プロットが安易過ぎる」とか
いろいろ言われていたみたいだけれど、
わたしは、これだけ短い作品でこれだけ泣かされたのは初めてで、
ひとことひとことがすごく響いてきたので
どう感じるかは別として、読んでみる価値はあるんじゃないかと思う。


自分のとなりで大切な人が命を奪われて、
そのとき自分は何もすることができなかったら。
わたしはわたしの人生を許して、受け入れる事ができるのだろうか?


作者はあとがきで、この作品で伝えたかったことをこう綴っている


みんな、今はうつむいていてもいいから、
いつかは顔をあげて、まえにすすもう。

| | Comments (0) | TrackBack (1)

2005.05.07

素顔のイラストレーター

4054027040
素顔のイラストレーター


わたしが愛読している雑誌「絵本工房 Pooka」から生まれた本。
Pookaでも活躍している10人のイラストレーターの素顔を
今までの作品を紹介する「スタイル」、
イラストレーターになった経緯を語ってもらう「きっかけ」
どのように作品を制作しているかを見せてもらう「スケッチ」
という3つの視点から探り出している。


と書くとなんだか小難しく思えるが、文字は少なめで、
写真や作品(イラスト)が多いので、さらっと楽しく読めた。


しかし、自分が好きな児童書の装丁をやっている人がわかったり
「へえ、この人もMac使って描いてるのか・・・」とか
新たな発見や出会いもあったりして、
さらっと読んだわりにはたくさんの情報を得られた気がした。


それにしても、絵を描くってすごく素敵な仕事だなって思う。
100%ORANGE(大好き!)の及川さんも
「手癖だけで描いてる感じのときは「いけないぞ」と思うし
 考えすぎてるときも「いけないぞ」と思います。」
と言っているように、どんなに好きでもそれを仕事にするのは
とても大変だと思うのだけれど、頭の中に浮かんだイメージを
線でつないで色を塗って、そうやって生み出した作品を
長い間飾ったり、眺めたり、大事にしてくれる人たちがいて。


そういうのがたまらなく羨ましい。


そういうのが羨ましくてたまらないからこそ、
わたしは今までイベントを企画したりしてきたのかもしれない。
少しは、味あわせてもらったのかな。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2005.03.01

対岸の彼女


4163235108.09

角田光代 の「対岸の彼女」読了。
第132回直木賞受賞作。

既婚と未婚、働く女と家事をする女、子のいる女といない女。
立場が違うということは、ときに女同士を決裂させてしまう。
30代、既婚、子持ちの「勝ち犬」小夜子と、独身子なしの「負け犬」葵。
性格も生活環境も全く違う二人の女性の友情は成立するのか?

というのが大筋なのだけれど、わたしはそんなテーマよりも
やはり角田光代が描き出す「女子高に通う女子高生」の姿に
また色々な感情や情景を思い出させられてしまい、
感情移入しまくりだった。

あの抑圧された日々。
鳥かごに捕らわれているような感覚。
全てから逃げ出したい衝動。
川面に映る青空。
それでも笑い声の絶えない日常。

葵や魚子のように、衝動的に飛び降りたりはしないまでも、
やっぱりどこかへ行きたい、でもどこへも行けないって思ってた。

「大人になれば自分で何かを選べるの? 」と帯に書いてあったけれど
それについてはわたしも深く考えてしまうことがある。
わたしは自らの手で何かを選んで未来につないできたのだろうか?
その時の状況に選ばされていないと断言できるのか?

そんなの今さら思い直したって仕方がないってこともわかってるけど。

こんなにも揺さぶられてしまう自分が情けない。

| | Comments (0) | TrackBack (1)

2005.02.26

間宮兄弟

江國香織の「間宮兄弟」読了。

兄・明信、35歳、酒造メーカー勤務。
弟・徹信、32歳、学校職員。
兄弟2人暮らし。
読書家、母親思いで、マイペースで人生を楽しむ兄弟だが、
おたくっぽいと女性にはもてない。
“そもそも範疇外、ありえない、いい人だけど、恋愛関係には絶対ならない”
男たちをめぐる、江國氏の最新恋愛小説。

間宮兄弟は兄弟二人でいる時は、とても快適で心穏やかなのに
分かっていながらまた女性を追いかけて、ことごとくふられてしまう。
そして間宮兄弟たち自身に春はやってこないのに、
関わる女性たちはみな人生を前向きに見直せたりするのだ。
・・・なんて損な役回りなのだろう。
でもそうやって人生ゲームは進んでいくものなのだと思う。

読書家の二人は、作中でいしいしんじの「麦ふみクーツェ」を順番に読んでいた。
つながっていて何だか嬉しくなってしまった。

それにしてもこの二人、今までの江國作品では絶対に出てこないキャラだったなあ。
ほんと絶対に恋愛対象にはなり得ないけど(笑)、憎めない。

わたしたちは兄弟じゃないけれど、
間宮兄弟みたいに寄り添って暮らしていけたらと思う。
めぐりくる季節をいつも賞賛して、
二人だけにしかわからない楽しみを共有し、
同じ映画を見て笑い、同じ本を読んで泣き、
お互いのことを思いやって音楽をかけられたら。

| | Comments (0) | TrackBack (1)

2005.02.06

High and dry (はつ恋)

よしもとばななの「High and dry (はつ恋)」読了。

題名はradioheadの「high and dry」という曲からとったらしい。

14歳の夕子が20代後半の絵の先生、キュウくんにはつ恋をするストーリー
・・・と書くと、まるで少女漫画の王道恋愛パターンじゃないか!と思うが
読んでいくとそういうありきたり感は全くない。

夕子やキュウくんやその家族にはありえない生き物を見たりする
不思議な力があるけれど、それを深刻視せず、すんなりと受け止めていて
そしてそれをとても大切にして、創作に生かしたりもしている。
そんな彼女たちは自分の中心にある芯がしっかりしているから、
とてもまぶしく見える。自分にその力が無いことが悲しく思えるくらい。

ジャンルは一応、恋愛小説なんだけど、
わたし的には夕子が精神的に成長していく姿がなんだかぐっときてしまった。
特に両親からの自立について考えるシーンは
ファザコンと自他共に認めるわたしにとって、共感する台詞が多かった。

わたしには不思議な力は無いから、
仕方ないけれど現実世界でキラキラを追っていきたいと思う。
できる限り無駄なことをしたい。全力で。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2005.02.01

アキハバラ@DEEP

石田衣良の「アキハバラ@DEEP」読了。

それぞれ心や体を少し病んでいる若者3人が集まって
弱小ベンチャー会社「アキハバラ@DEEP」を立ち上げる。
その後さらに出会った3人が加入し、彼らは不眠不休で
画期的なAI(人工知能)型サーチエンジン「クルーク」を開発する。
しかし、ネット界の巨大企業の社長に無理矢理すべてを奪われたとき、
おたくの誇りをかけたテロが、裏秋葉原を揺るがす。
というストーリー。

街を描かせたら石田衣良の右に出るものはいないな、と
実感した1冊だった。池袋といい、月島といい、今回の秋葉原も
なんでこんなに忠実に描き出せるのか、不思議で仕方ない。

ストーリーの設定は現代の世相を反映した、結構ありがちな感じなんだけど、
中盤のストーリー展開が軽妙でするすると読めてしまった。
(ただ、452ページの本は持ち歩くのが辛かった!)

この物語を読んでいると、秋葉原に生きる「おたく」と呼ばれる人たちは
しあわせなんじゃないかと思う。秋葉原っていう楽園があるんだから。
仕事もあるし、仲間もいるし、大好きなキャラクターがあふれている。
みんなおんなじ様な服装だから別に誰も気にしないし、
休日だって趣味に関する店はすべて揃っているのだから、
そこで暮らしていけば、毎日楽しいのではないか?そうでもないのか?

閉じられた世界の中で淡々と生きていくのに魅かれる今日この頃。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2005.01.23

Teen age

「Teen age」読了。

いま、わたしたちの世代の読者から熱い支持を得ている
七人の女性作家が描く珠玉のアンソロジー。
十代、そして十代を通り過ぎたすべてのひとに贈る
オール・オリジナル作品集。

ということで、角田光代と島本理生の名前に惹かれて読んだ。

角田光代の「神様のタクシー」は女子高に通っていたわたしには
ものすごくリアルに響いてくる作品で、
あのどうしようもない閉塞感がありありと蘇ってきた。
あまりに忘れてしまいたいことだらけで、
カナダに行った修学旅行のこと以外は
もうあまり覚えていない高校時代。
でもあの3年間があったからこそ、今のわたしが居るんだと
今なら笑って肯定できると思った。

島本理生の「Inside」も良かった。
この作家の繊細な情景描写が大好きだ。
去年の芥川賞獲って欲しかったなあ・・・。

川上弘美の「一実ちゃんのこと」、この作品が特に面白かった!
クローン人間の予備校生の日常という、ありえない設定なのに、
読み終わると何だかすんなりと馴染んでしまうのだ。
電車の中で隣り合った人がクローンかもしれないと思えるくらい(笑)

他の作品も味わい深くて、とてもお得な一冊だった。
よくこれだけの作家集めたよなあ!
この本を企画した人に敬意を表したいと思う。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2005.01.20

ブックカバー

文庫サイズのかわいいブックカバーってたくさんあるのに
ハードカバーの小説サイズになると全然みつからないので
自分で作ってみることにした。

お気に入りの外国製紙袋を切り裂いて包装紙状にして
図書館の本にビニールコーティングする手順で切り抜いて装着。

ふむ、なかなかかわいらしいじゃないか。

最近は本の装丁も凝ってて素敵なのが多いから
そのまま持ち歩いてもいいんだけど、
たまに実用書なんかを電車で読んでたりすると
無遠慮な視線が痛かったりするので。

4xpsh0184.jpg

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2005.01.14

おめでとう

大好きな角田光代がついに直木賞を受賞して本当にうれしい!
記者会見見てもらい泣きしてしまった。

来週あたりから受賞作を読み始める予定だったので楽しみ。
あぁ、その前に短編もひとつ読むんだった。ghcsh0088.jpg

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2005.01.13

春、バーニーズで

吉田修一の「春、バーニーズで」読了。

ふとしたはずみで、息子が声をかけた若い女性の
メールアドレスを聞いてしまったり、
妻と狼少年ごっこに興じたり、
なんとなく会社に行くのをやめて
東北自動車道を北上してしまったり……。
東京で暮らしている男が、ふと非日常に誘われてしまう
一瞬を描き出す。

という内容。連作短編集4編+短編1編の構成。

吉田修一は直木賞受賞作の「パークライフ」で好きになったのだけど
「東京湾景」(ドラマにもなった)がいまいちだったので、
新刊を読もうかどうか少し悩んだ。
でも、読んで良かった。やっぱりこの人は短編がものすごく良い。
とにかくリアル。

わたしもこの夫婦のように淡々と生きて、
たまにはちょっと道を外してしまっても、
全部ひっくるめて愛してもらえたらなあと思った。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2005.01.09

そのときは彼によろしく

市川拓司の「そのときは彼によろしく」読了。

29歳の智史が店長を務めている
小さなアクアショップ「トラッシュ」に、
鈴音という美しい女性が現れる。
彼女は映画にも出演したほどの有名モデルだが、
それを知らない智史はバイトとして雇い入れる。
彼女は、智史が忘れている過去の思い出を胸に抱いていた…

という物語。純愛寄り。

最後、主人公のお父さんの台詞にだいぶ泣かされたけど、
思いのほかあっさり読めて読後感はあまり残らなかった。
「いま、会いにいきます」も読もうかなーどうしようかなー。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2004.12.18

庭の桜、隣の犬

角田光代の「庭の桜、隣の犬」読了。


夫婦って何だろう?
愛でもない嫉妬でもない、
何かもっと厄介なものを抱えて、
私たちはどこへ向かうのだろう?


という帯に惹かれるまでもなく、
角田光代好きのわたしは気がついたら読んでいた(笑)
書評の雑誌に載っていたエッセイに痛く共感してから
彼女の著作はデビュー作に遡ってほとんど読んでいる。


自分は25歳になって、「大人ってこんなもんなのか?」
と幼少時代に抱いていたビジョンとの違いに
不安になることが多いのだけれど、
この本の主人公は大人になりきれないまま、
それをあまり疑問に感じることもなく、
ずんずんと突き進んでいくのが恐ろしいというか、小気味いい。


なんだか、未来の自分の夫婦姿を描かれているようで
空恐ろしくもあるけれど。


角田光代の描くフツーの人々はいつだって遠いようで、近いのだ。

| | Comments (0) | TrackBack (1)

2004.12.04

アフターダーク

村上春樹の「アフターダーク」読了。

真夜中から空が白むまでのあいだ、
どこかでひっそりと深淵が口を開ける。
「風の歌を聴け」から25年、さらに新しい小説世界に向かう
村上春樹書下ろし長編小説

というコピーを見て、かなりの期待を持って読んだのだけれど、
正直ちょっと肩透かしな感じだった。だって短いよ。
長編というよりは中編というべきなのではないかしら?
「海辺のカフカ」にかなりどっぷり浸かった後だからかも
しれないけれど、いまひとつのめりこめなかった。

しかし、そうは言っても、やはり大好きな村上作品であることに
変わりはない。わたしは、

「新しい一日がすぐ近くまでやってきているが、
古い一日もまた重い裾を引きずっている。
海の水と川の水が河口で勢いを争うように、
新しい時間と古い時間がせめぎ合い、入り混じる。
自分の重心が今どちら側の世界にあるのか、
高橋にもうまく見定めることができない。」
(本文より引用)

という部分に、とても共感した。
ライブの打ち上げで夜明かししている午前4時頃、
よくこんな状態に陥るのだ。ひっそりと。
(きっとみんなそうなのだろう)

ああ、このなんとも言えない読後感をどうすればいいものか。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2004.11.11

思いわずらうことなく愉しく生きよ

江國香織の「思いわずらうことなく愉しく生きよ」読了。

強く、しなやかで凛とした三姉妹の物語なのだけれど、
長女・麻子の家庭のDVの描写がすごくて、
最後の方は他の2人の恋愛模様は若干霞んでしまった感があり。

でも、わたしは「自分のしたことに後悔なんかしないわ。」
と言い切って、自分の浮気がばれてケンカになったのにも関わらず
同棲していた男(売れない作家)を追い出し、復縁の申出も無視する
次女の治子にだいぶ感銘を受けた。
わたしには絶対できない生き方だな、と思う。

400ページに及ぶ長編だったけれど、あっと言う間に読めてしまった。
最後の方は読み終わってしまうのが嫌で
同じところを何度も読み直したりしてしまった。

「人はみないずれ死ぬのだから、そして、それがいつなのかは
わからないのだから、思いわずらうことなく愉しく生きよ」
なんて素敵な家訓だなあ・・・。

| | Comments (2) | TrackBack (0)